選抜メンバー/ミドルアウトによる組織改革 【株式会社ミカミ様】

outline ― コンサルティングの概要 ―

まちづくりの構想、企画段階から計画、測量、設計、監理段階までの一貫した提案・業務遂行ができる、県内随一の「総合的なまちづくりコンサルタント」として知られる株式会社ミカミ様。景気が上向く中、久しぶりに一気に6名もの新入社員を迎えました。
ジェネレーションギャップのある若者とのコミュニケーションに対する不安から、茨城県の支援事業を受けることにしましたが、ビジョンリンクのコンサルティングのもと議論した結果、組織改革が必要との結論に至り、それを実現するために取り組むべき項目を5つ(①残業時間の短縮②円滑なコミュニケーション③モチベーションの向上④新時代の社員教育⑤経営者意識の改革)に絞りました。
その改革の担い手は課長クラスのミドル層。実行力があり、かつ柔軟な視点を持つ層が中心となって、改革を牽引しています。すでにコミュニケーションを促進するための休憩室の設置や、時間効率を上げるためのNO残業デーなどを試験的に実施。今後も検証、分析を重ねて、さらに改善していく予定です。

contents  ― コンサルティングの内容 ―

  • 社長・役員クラスとの議論
  • 社員意識調査の実施
  • 部署別議論
  • 課長クラス議論
  • 選抜メンバーのよるボトムアップ組織改革

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result ― コンサルティングの成果 ―

  • 社内改革推進委員会の発足
  • 「NO残業デー」の試験的実施
  • コミュニケーションを促進する休憩スペースの設置

interview ― インタビュー ―

総務部 総務課係長 五十嵐紀子 様

まちづくり事業部 課長 粕谷眞人 様

「組織改革の担い手は、実行力のある課長クラスのミドル層です。」

———まずは経緯からお聞かせください。

当社もコンサルティングを事業の一つに掲げている会社です。問題点を見つけ、解決策を探ることにかけてはプロ集団。しかし、こと自社内の問題に対しては列挙する項目は多くなり、結果的に継続性が難しくなることが往々にしてあります。また、今回は若い人材の定着率を上げることを目的とした支援プロジェクトの一環のため、若い目線が必要でした。そこで木下さんのコンサルティングの力を借りたのです。
 まずは社長・役員クラス、部署別、課長クラスとそれぞれの立場ごとに、社内の問題を明確にする議論が持たれました。そして、課長クラスの選抜メンバーを集めた、中堅社員による「社内改革推進委員会」が誕生しました。

委員会ではロジックツリーの手法を使い、新しい課題の洗い出しに取り掛かりました。そうして5つの項目、すなわち①残業時間の短縮②円滑なコミュニケーション③モチベーションの向上④新時代の社員教育⑤経営者意識の改革に絞り込みました。これらはそれぞれに独立しているものではなく、それぞれが有機的につながっている問題です。ここから真因を探り、解決策を模索していきます。

「忙しい時期だったにもかかわらず、67%の達成率。」

———具体的にどのようなことにチャレンジしたのでしょうか。

残業時間の短縮については「NO残業デー」を設けました。事前に全社員に「宣言」をし、説明会を開いて周知と理解を呼びかけておきました。忙しい時期だったにもかかわらず、67%の達成率でした。
社員は午後5時の定時に退勤するために1週間の計画を練って実行。チームとして協力し合って取り組まなければ終わらない仕事も多く、残業ゼロに取り組むことが自然とコミュニケーションアップにつながりました。
「NO残業デー」を行った後にアンケート調査を行うと、「惰性で仕事をすることがなくなって良かった」などと回答がありました。しかし、管理する側の、部下の仕事の把握と個々に応じたアドバイスなどといった改善にまでは至らず、今後の課題とされました。

———その他の5つの項目についてのチャレンジはどうでしょうか。

コミュニケーションの促進を図るために、本社2階に広い休憩室をつくりました。しかし、休憩室にいると「遊んでいると思われるのではないか」という不安が拭えないようで、あまり利用は進んでいません。作っただけではダメなのだと痛感しましたね。
また、若手社員どうしが話し合う機会を設けました。推進委員会の委員がその輪の中に入り、声を引き出します。最近の若い社員はおとなしい人が多いですが、若手なりに疑問を抱えています。匿名で議事録を取っていますが、こうした中から上がってくる意見が当社の未来を変えていくでしょう。

管理職以上に向けての研修もありました。研修を受ける前に読書しておくことが義務づけられた課題図書のタイトルは「上司の9割は部下の成長に無関心」。木下さんから最低2回は読んでおくようにと言われました。若手社員は体で覚える時代からマニュアルで覚える時代になったという内容で、研修を受けた社員からは「納得した」「良かった」という回答が多くありました。満足度は10点満点で8.6でした。もうかつてのようなコミュニケーションの取り方では通用しなくなってきていることを痛感していたので、満足度が上がったのでしょう。

「会社について真剣に考える1年になりました。」

———1年間のコンサルティングを終えて、いかがでしたか?

県の事業だったことで期限が設けられていたことが逆に良かったですね。集中して取り組むことができました。
 木下さんは答えを提示したり、指示をしたりするのではなく、例えばブレーンストーミングの形式を示したり、ヒントを与えてくれるのみで自主性に私たちの自主性を信じてくれた点が良かったと思います。

やってみて本当に良かったですね。会社について真剣に考える1年になりました。
私は推進委員として今回の改革の担い手になっていますが、若手と意見交換をする上でのポイントについて、木下さんからはたくさんの気づきをいただきました。話の引き出し方や意見の返し方はとても参考になりました。「1人ひとりに聞いてね」と木下さんからアドバイスを受けていましたので、テーマごとに1人ひとりに話を聞きました。そうすることで、その人が何を考えているのか理解することができました。今の若い社員は聞かれないと答えませんから。他にも、役に立つ研修メニューや書籍なども教えてもらいました。
まちづくりコンサルタントとしての日常の業務を行う上でも参考にさせていただこうと思っています。
若手の定着率アップは、あくまで結果として表れるものだと思っています。今は定着率については数値目標を設定せずに5つの項目について取り組んでいきたいと考えています。
若手社員の職場定着率向上を目指す企業を支援する「処遇改善プロセス支援事業」は1年間で終了しましたが、私たちの組織改革はこれからがスタート。継続的に行っていきます。

休憩スペースに限らず社内のレイアウトはコミュニケーションをより円滑にするものに変えていきたいと思います。
教育については、能力向上のために、職能によって細かく達成目標を設定した教育体系を作り上げたいと思っています。
そして、それぞれの試みを常に検証、分析して真因を突き止めていきます。

私たちは日々業務を通じてコンサルティングを行っているという自負があります。木下さんから見て、私たちの今回の組織改革への取り組みはどう評価されるのでしょうか。とても気になりますね(笑)。

———きっと高評価に違いありません。本日はありがとうございました。